無念…なこと

今いかなければ聞けない話

取材に行きたかったとある精油製造者様。
大阪から行こうと思うと5時間くらいかかる場所。

立ち上げから関わり、研究をされておられた有名な先生が他界され暫く経ち、残されたわずかな知識で個人でやっているため、メディアで話をすると恥をかくことになりそうなので。とお断り…無念。

和精油ブームが来る前から香料や食品添加物として、植物の可能性の研究としての精油作りに従事されていた方はご高齢者が多い。

今取材が可能なところに、なるべく早くいかなきゃならない。そう思う。

ご本人の声でその歴史を残すために。

インタビューして書き起こす本やWEBコンテンツではなく、ラジオという強みが私にはあるのだから。

ネオな人になりました

ネオな人=ポジティブでパワフル

兼ねてから気になっていたBNI NEXT NEO。

交流会は苦手だし、仕事上でどこかの組織の一員になることはもうないだろうなぁと思っていたのですが、新年度、新しいことにチャレンジしよう!と、この組織の一員になることを決意しました。

新しいことといえば、”かおりと-kaorito-”のリリースを控えているじゃないか!まだ何かやるのか?と言われそうですが、”かおりと-kaorito-”を加速させる意味でも、経営面で、営業面で横のつながりが欲しい、尊敬できる仲間が欲しい、と思ったんです。

以前から知っている方がNEOには何人もおられ、その全員が出会った頃より格段に輝いているのを目の当たりにしたのも決意のきっかけ。

メンバーの皆さんの発言がポジティブなのも決意のきっかけ。もともとネガティブな私でも、ここにいれば超ポジティブに強く生きていけるんじゃないかしら、と見学の度に感じていました。

それでも苦手なこともたくさんやらなきゃ所属できなさそうなBNI。2月の末に2度目の見学に行ったとき、今勢いで入るって言わないときっと踏み出せないと思い、入ります宣言をし、今日は記念すべきNEOデビューの日でした。

腑に落ちるって大切

NEOでは独自の取り組みもしていて、今日はリスト活用の勉強会。ふむふむなるほどそうだよな…こんなリアルな話が聞けるなんてラッキー!そんな感じです。

そしてその後、”かおりと-kaorito-”のデザイン関係全般をお願いしているNEOメンバーのOさんと打合せ中、インスタの話をしていて繋がった!今日勉強会で出てきたリストってこのことやん!!!って。

初日の今日だけでも、得るものがあって、それがストンと素直に自分の中に落とし込めるってすごいことだと思うんです。机上の空論ではなく、リアルにそれをやって結果を出している方たちの”当たり前”を共有してもらえる組織。最高ですね。

私自身はどんな貢献ができるかまだわからないけれど、今までの経営者としての足らずを埋めながら、楽しみながら、成長していきたいと思います。

 

 

希少!桜のフローラルウォーター

棚ぼたの桜

ご縁はつながるもので、昨年の夏に間伐体験でご縁を頂いた篠山のT氏のところに行ってきました。

T氏は山のプロフェッショナルなのですが、神戸にある小野八幡神社の移築に伴う御神木プロジェクトにもかかわっておられます。

私も”かおりと-kaorito-”立ち上げに伴い、精油の蒸留を手掛けることになった関係で(自分で蒸留するっていうのは当初の計画ではなかったのですが…)御神木のクスノキから精油を抽出できないかと相談を受け、関わることになったのです。

蒸留に使うクスノキの枝葉。そのままでは蒸留ができないため、T氏にチップにして頂くことになり、何度かやりとりをしている中で、「桜、蒸留しませんか?」とお話を頂いたのです。

桜には”クマリン”というよい香りの成分が含まれています。桜餅の香りと言えばわかるかな。

通常桜は伐採しませんが、大人の事情により蕾がついた枝を落とさなければならないこともあり、よい香りのする蕾月の枝を活用できないかとのこと。クマリンを抽出できればよいのですが、水蒸気蒸留法では難しいため、サクラの精油はどこにも存在しません。

最近はいろいろな蒸留技術が進んでいるので、花を低温の真空装置に入れ水溶性の成分を取り出しているメーカはあるんですけどね。そんな高価な装置、うちにはありません。

でも、桜。やりたいじゃないですか。

桜とご対面!

「これが桜です」

と案内された先には、ドラム缶よりも大きい袋が何個も積まれた場所。えぇ!!!スケールでかすぎません?

「あと2,3日もすれば発酵が始まって、カブトムシに分解をしてもらって土壌改良剤になるだけなんです」とT氏。袋を開けるとクマリンのよい香りがふわわ~っ。むせ借るほど濃厚な香りに、この香りは閉じ込めたい!と血が騒ぎ、実験的にフローラルウォーター作りを決意。クスノキと一緒に持ち帰り蒸留となりました。

それぞれ10キロくらい、と言っていたクスノキとサクラ。気づけばそれぞれ20キロくらいのチップを車に積んでくださっていました。かおりとの蒸留装置は1回あたりマックス1.5キロの材しか入りません。

今回はクスノキ優先なので桜をどれだけ蒸留できるか…。2,3日後には発酵が始まるってことはそれまでが勝負?あえて、発酵してからも蒸留してみるか。そんなことを考えていると、再び、「桜持って帰る?」とT氏。

ん?桜、積んだぞと思っていたら、見事な花付き枝をポンとくださいました。

「花泥棒みたいやな…」と二人で笑いながら、大きな枝も車に積み込み帰路へ。なんと篠山滞在たったの30分。だって早く帰って蒸留したいんだもの。

早速蒸留すると、一面に立ち込める濃厚な香り。本当は外に香りを漏らさず閉じ込めないとダメなのですが…これはすごい!

精油成分は一切浮いてきませんでしたが、ウォーターのポテンシャルは相当のもの。蒸留したて、1日後、2日後と香りを確認すると、日を追うごとに青臭さが抜け、優しい香りに変化します。むせかえるような濃厚さも和らぎ、本当に奥ゆかしい香り。

2日目以降は日常の仕事とクスノキの精油抽出に追われていたため、しばし桜はお休み。その間に我が家に鎮座した桜の枝は満開に!

すると…T氏の言う通り、材の発酵が進んできました。木部だけではなく、花や蕾が一緒にチップにされているから発酵が早いんですよね。ちょっと調べると桜の花はお酒の酵母が作れるくらいのパワーを持っているのだとか。

香りも弱くなり…3日目の蒸留は少し香りが弱いもののOK。4日目の夕方、かなり香りの薄くなった材を蒸留してみましたが、NG。材を使いきれなかったのは残念ですが、来年に向けてこの桜のウォーターを何に使うか、どう展開するかT氏とともに考えたいと思います。

可能性は無限大!

1週間後、1か月後、香りがどうなるかも要チェックです。

 

 

香りへの想いが思い出させてくれたこと

想いを香りにして残す取り組み

すごく深い想いの詰まったプロジェクトに、精油の専門家として関わらせて頂くことが決まり、いろいろな思いが巡ってます。

今回のプロジェクトは精油の抽出。”かおりと-kaorito-”の核となる事業の一つなのですが、近いうちに必要になるかもという予感があり、精油の抽出装置購入を前倒し、試験抽出をしていたというのが正しいかもしれません。

思い出を香りにして残すと言うのがテーマで、切らざるを得ない庭の木とか、みんなで育てたハーブとか、田舎の柑橘とか。

そういうものを小回りのきく形で、かおりにしたいと考えて準備していた矢先のご依頼でした。

この辺のことは時期が来たらまた書こうと思います。

さて。今回のプロジェクト。いろいろな方の想いの詰まった木から精油を抽出しようというもの。

精油は細い枝や葉からも抽出できるのがメリット。

捨てるしかなかった部分から香りを抽出できるんです。もちろん樹種やハーブの種類によって無理な場合もあります。でも精油が抽出できなくても、フローラルウォーターの可能性があるんです。

今回もこんな話をしながら、まだまだ知られていないこの可能性をもっと伝えなきゃならん!と”かおりと-kaorito-”の使命を感じながら、ふと思い出したこと。

私がまだ幼稚園が小学校入りたての頃に祖父が植えてくれた梅の木。

祖父が亡くなり、私も就職し実家を離れ…知らない間に枯れて跡形もなくなっていたんです。10年以上も前の出来事なんですけどね。

小さい頃おにぎりをもって、梅林に行き、梅のあめちゃんを買ってもらった記憶。たしか、梅の木を植えてくれたのもその前後の出来事。

従兄、姉、私の3人それぞれの梅があって、従兄は小梅。姉はしだれ梅。私は大きな梅。私の梅だけ離れた場所に植えることになって、ごねる私に祖父が言ってくれたこと。

「順子の梅は一番大きくなるから、日当たりのいい特別なところに植えるんだぞ」

スコップをもって、一緒に植えたこと、夏休みには祖父母の家に泊まりに行き、水やりしたこと、初めて1個だけできた実を祖母とシロップ漬けにしたこと。

思い出しました。

香りに携わることで、すっかり忘れていた大好きだった祖父との、大切な思い出が一つ蘇りました。

取り組みもまた思い出に

精油は永遠ではない。香りはいつか消えてなくなります。

でも、精油にすることで香りの寿命は延びます。そして、こうやってたくさんの想いを込めて一緒に香りという形にして残すという取り組みそのものが、また新たな思い出となって残ってくれるといいなと思います。

10年、20年後。

別の場所で、同じ香りに触れた時、その木々と過ごした思い出と、どうにかして残そうと頑張っている”今”のことを思い出してほっこりして欲しいなと、そんな風に思うのです。

”かおりと”

香りを軸にヒト、モノ、コト、オモイを繋げたくてつけた名前。その名前の通り、進めていることに感謝します。

クラリセージ→カモミール

精油と感情の関係

怒りの裏にあるのは悲しみの感情、と何度か書いたことがあるけど、これは心理的にも東洋医学的にも言えることだと思っています。

怒りの感情は「木」。悲しみの感情は「金」。この二つは相剋関係といって互いに調整しあう関係性にあるんです。

そしてタイトルの精油ふたつは、それぞれ「金」「木」に対応すると言われています。

クラリセージの精油は「金」に対応する香りで、感情的な混乱が生じ悲しみどっぷり浸ってしまった心を癒し、鮮明な直感力を取り戻すよう働きかけます。

カモミールの精油は「木」に対応する香りで、感情的な欲求が成就しない時の閉塞感に見舞われたとき、こんなはずじゃない!とさらに上を目指し自分を追い詰めてしまいそうな時、ともすれば自分への怒りが沸いてしまいそうなときに、その気持ちを軽くします。

以前は甘ったるくて好きじゃなかったカモミール(ローマン)の香りを、”案外いいんじゃない?”と感じだした最近。「木」は「胆」=決意 をつかさどるといわれていて、ここに不調が現れるとやる気や目的意識をなくしたり、冷酷で強引な行動をすることがあるそうです。

いろいろ決断していかないといけない今の私。無意識に「胆」を強壮したいのかもしれません。

体の不調と精油

そしてもう一つ、繋がってるなぁと思うのは、不調が現れる場所の変化。右手の親指の関節の痛みは相当長引いているので、私の「金」は相当なダメージを受けていたことがうかがい知れます。

そして、花粉か黄砂か分かりませんが、右の頬ちょうど「肺」=「金」のあたりに湿疹が現れ、今枯れてきています。そして喉のイガイガ、咳も今日はぴたりと止まってる。

昨日までは「金」の症状に対応するユーカリやティーツリーが手放せなかったのに、不思議。ということは、やっぱり「金」の不調をほぼ出し切ったんじゃないのかしら?

だから「金」に抑制されていた「木」が良くも悪くも活性化してきているんだと思うんです。

「木」は季節で言うと春。ちょうど今ごろ。

体や心の状態は自分ではなかなか気づかないけれど、こうやって精油から読み取って、自分の感情を吟味してみると、思いがけない発見から一歩前に進めることもあるのです。