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かぐわしい。こんな精油があったなんて!:熊本県八代商工会議所晩白柚アロマ事業部

2018年5月30日和精油めぐり

商工会議所が農産物の加工に乗り出したワケ

ここ商工会議所?

そんな風に驚いた理由は、通していただいた部屋に所狭しと積まれた商品の山。

晩白柚入浴剤や晩白柚石鹸が、商品倉庫のように積まれ、その手前には相談支援用の机があり、その机の上にも、晩白柚関連のチラシやポップが並んでいます。

八代商工会議所で、地元の特産品の世界最大の柑橘類である晩白柚をどうにかして日本全国に知ってもらいたいという想いから始まった取り組み。

 

※写真は晩白柚精油を使った入浴剤と石鹸、そして晩白柚を丸ごとピューレにしたもの。ピューレは米焼酎で割ったり、ソーダで割ったり…
互い仕事中ということで、この日はソーダ割を頂きましたが、本当においしかった!

晩白柚は高級な贈答用の果物として12月から3月ごろまで出回ります。桐箱に入った晩白柚は、1万円近くするものもあるのだとか!!

でも冬の間だけ。

この晩白柚から精油を抽出し、他にはない香りを、どうにかして通年愛される商品として広めることはできないか。そんな想いを胸に、池部さんが立ち上がります。当初は、農産品である晩白柚は農協が管轄でやるべきで、商工会議所が口を出すことではないというバッシングもあったそうです。

でもね、本当に熱意を持った人は、本当に地域を愛している人は、本当に発展を願う人は、そんなバッシングには負けません。それで辞めるなら、その想いはその程度だということでしょう。

「晩白柚というほかにない特産品を地域に眠らせていてはいけない」

「晩白柚をきっかけに八代に一人でも多くの人を呼びたい」

「自分がやらなきゃだれがやるんだ!」

という強い信念を持った池部さんと、それをサポートする商工会議所の面々の熱意はバッシングを跳ね除け、どんどん周りを巻き込んで進んでゆきます。笑顔で「本当に大変でしたよ」とおっしゃる池部さんのその笑顔の裏には計り知れない苦労があったことでしょう。

八代市の特産晩白柚の香り

晩白柚は、1930年に台湾から日本にやってきました。そしてここ熊本県八代市に根付き、今では国内栽培の95%以上が八代産。一つ一つ袋をかけ大切に育てられる晩白柚。

お伺いした秋の時点ではまだオレンジくらいの大きさでしたが、ギネス認定されている晩白柚はバスケットボール大で、5キロ近くあったのだとか!平均的なものでも子供の頭ほどの大きさ。それが木にたわわになる様子は圧巻でしょうね。

果皮が厚く保存性に優れた果物で、年末の贈答品として送られた晩白柚は1か月ほど飾られ少し柔らかくなり、香りが増した頃が食べごろなのだとか。我が家にも届かないかしら…笑

いよいよ始まった精油作り。

晩白柚を日本に広めるために精油を選んだのは、熊本高等専門学校八代キャンパスの教授が蒸留装置の開発をしていたから。

ところがここで大きな問題が。晩白柚は贈答品として全国各地に送られるため、地元八代では消費されません。ということは、精油を抽出するための果皮の入手ができない。

そこでまず取り組んだのは、摘果した小さな青い実。

農薬のかかった状態の実を大きなタライで洗い、皮を剥き蒸留します。抽出された精油はとっても良い香り。

ところが…

残留農薬検査をしたところ、健康に問題のないレベルではあるもののわずかに農薬が検出されてしまいます。いくら健康に問題のないレベルでも、残留農薬のある状態の精油を市場には出したくないという気持ちから断念せざるを得ませんでした。

実際にかぎ比べをさせて頂きましたが、熟した果皮から抽出したものより青い実から抽出した精油の方がさらに爽やかさの強く、より柑橘系らしい香り。

もちろん、今せっけんや入浴剤に加工されている、熟した晩白柚から抽出している精油も柑橘系とは思えない甘く濃厚で、でも爽やで果実味たっぷり。素晴らしい香りです。

※写真中央の茶色いガラス瓶の中に精油が入っています。

そこで、流通には乗らない、傷物や規格外の晩白柚を教育の一環として給食として食べてもらい、その果皮を集め、外の色のついた部分だけを剥き取り蒸留機にかけます。果実が成長する過程で農薬は雨風や太陽の力でなくなり、残留農薬検査も問題なし。

こうして誕生したのが、晩白柚の精油なのです。

一つの精油が誕生する背景にある、地域活性のための物語。

その物語はまだ続きます。

温泉街の女将が和精油作り?!

実は、その精油の抽出作業を担っているのが、八代市の日奈久温泉街の女将たち。

※写真右:精油抽出の中心、日奈久温泉金波楼の女将

泉質も良く湯量も豊富な日奈久温泉街のおかみたちが県外に出てPR活動をするための資金をどうにか確保できないか。商工会議所の経営支援員でもある池部さんはいろいろな角度から晩白柚の商品化を考え、精油の抽出をおかみたちの仕事にしたのです。

そしてその精油を商工会議所が買い取ることで、日奈久温泉や晩白柚をPRするための活動資金を温泉街の女将たちにもたらす仕組みができました。

実は柑橘系の精油は採油量があまり多くありません。当初は精油として販売することも考えたそうですが、大量生産ではない晩白柚。精油に値段をつけるのがとても難しく、一人でも多くの方の元に届けるために、石鹸や入浴剤にして販売することになったのです。

ここでも、経営支援員である池部さんの腕の見せ所。どこまで引きが強いんだろうというほどの縁が、晩白柚と池部さんに集まってくるのです。

石鹸や入浴剤誕生のお話は次回のブログで。

※一部の写真は八代商工会議所晩白柚アロマ事業部のHPから転載しています。

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今回取材訪問した和精油メーカー

〒866-0862
熊本県八代市松江城町6-6
八代商工会議所 晩白柚アロマ事業部
TEL 0965-32-6191
FAX 0965-34-1617
http://8246cci.or.jp/banpeiyu/

八代商工会議所晩白柚アロマ事業部の池部さんは2018年1月3日、古山順子のラヘラジに登場してくださいました♪

≫池部さんの話を聞く

和精油めぐり

Posted by Koyama Junko