koyama junko’s work

天然と合成

アロマセラピー(精油)

アロマセラピストと言う仕事をしていると、完全にナチュラリスト、天然のものに囲まれて生活している、と思われることがあります。

天然のものは良い。合成のものは悪い。

私は、必ずしもそうは思いません。

天然のものは、気象や土壌など環境条件によって成分が左右されますから、その時々によって成分が微妙に変わります。

天然の植物の成分には、それぞれに意味や役割があって自分を食べてしまう動物から身を守る為の毒のようなもの。
花粉を昆虫に運んでもらう為のフェロモンのようなもの。
光合成をして成長する為のもの。

など、本当に様々です。
それを私達が拝借しちゃってるわけです。

「天然だから安心よ」

なんて会話を耳にすることもありますが、それは共有する側が、「安心」「安全」なものを市場に出しているからであって、例えば、トリカブトやアヘンなど、私達にとって有毒なものだって沢山あります。

春になると、韮と間違えて水仙の葉っぱを食べて食中毒というニュースは毎年のように流れますしね。

毒ではなくても、キク科アレルギーやイネ科アレルギーのように、ある種の成分にアレルギー反応を起こすことも。

天然のものには検出しきれない微量成分も含まれていて、それらが複雑に作用しあうことで、
予想もしない成果を生み出すこともあります。
だから、アロマセラピーで使う精油って面白いんです。

一方、合成(人工)のものは、決められたとおりに同じ成分が、入れた分だけ配合されますから、内容物がはっきり明快です。
ただし、自然界には成立しない結合のものや、配合のものもあります。
逆に、自然界に存在する特定の成分を合成したというものもたくさんあって、これは成分分析をしても見分けがつきません。

西洋にしても東洋にしても、私達の先祖は自然界にあるものを活用して病に立ち向かい、美容に活用し、生活してきました。

それが、より効果の高いもの、効率の良いものを求め、技術の進歩と共に人工的に作り出すことを覚え、西洋薬(いわゆるお薬)が生まれました。
西洋医学と西洋薬の発展は、すばらしいことだと思います。

良かれと思って開発したものが、猛毒だったり、副作用があったり。
思いもよらず、他の副産物が生まれたり。
それでも、より良いものを求めて開発をしてきてくれた訳ですから。

その一方、天然のものの良さに注目をした方々は、植物そのものの力を最大限に引き出す為に、土壌を守り、環境を守り、植物と共に生きてきたのです。

こうやって考えると、それぞれ一長一短。

良い部分、悪い部分。

それをわかって取り入れることが大切なんです。

先日、合成香料のことが知りたくて調香の勉強をしに東京まで行きましたが、改めて、天然香料、合成香料双方の良さを知ることができました。

じゃぁ、なぜ天然のアロマなんですか?と聞かれそうですね。

それは、簡単。

植物が生み出す、複雑で優しい香りが好きで、人工的には生み出すことのできない思いがけない反応が面白いからだから。

私達人間も、自然の産物として生まれました。

だから、その自然の一部として。

進歩した科学や医学に囲まれて過ごすことの多い毎日ですが、大地のぬくもりを感じながら、植物の香りに囲まれる時間も大切にしたい、そんな風に思います。